【10分でわかる】人事担当者としてのスキルアップ・オススメ資格取得の体験談
人事担当者は幅広い知識が必要。
だからこそ、体系的な学習の継続が重要。
こんにちは。キャリ男人事サロン代表のキャリ男です。
今回は、人事担当者としてのスキルアップや自己研鑽として、キャリ男が挑戦してきたオススメな資格取得を厳選して紹介します。
また、これからの潮流を踏まえた考察をもと挑戦したい資格を紹介します。
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関連する記事のリンクは下記から
・「キャリアコンサルティングの意義と役割」に関しての記事はこちら
・「国家資格キャリアコンサルタントの自己研鑽」に関しての記事はこちら
人事や総務の役割は変わってきている
人事・総務の仕事は、業務範囲が広く、様々な能力やスキルが必要です。また、与えられた役割や業務に応じて、発揮できる知識も異なってきます。
そのため、一概にこの資格を取得すれば上手くいく、この知識さえ勉強すれば上手くいくといった資格や能力はないと思います。
人事・総務に求められる役割も社会変化の中で大きく変わってきています。
2019年に「働き方改革関連法」が施行されました。
それに伴い、各企業での労働環境が大きく変化している最中と言えると思います。
最近では、社員の労務管理の重要性や効率よく仕事を進める生産性の向上、社員のメンタルヘルス不調への対応、社員の自律的な成長を促すキャリア教育の整備など、従来の人材を一元管理する裏方の人事担当者から、より機動的に戦略的に、人事を検討できる人事担当者が求められていると思います。

資格取得は手段であって目的ではない
一方で、
・「資格取得はそもそも意味がない」
・「資格を取得してもスキルアップに繋がらない」
・「資格を取っても、評価されない」
などの意見があるのも事実です。
しかしながら、私の考えとしては、資格取得が目的となってしまっているからではないかと思います。
資格を取得することだけが目的となってしまうと、勉強時間や費用のコストがかかり、自身の大切な家族との時間が失われたり、自身の娯楽や楽しみの時間が失われたり、最終的には、本業の仕事の成果にも悪影響を及ぼしかねません。
例えば、
・「今後、〇〇の資格を取得して、転職したいから資格を勉強する」
・「これまでの実践で得た知識を、理論的に勉強し直したいから資格を勉強する」
といったように、資格取得を目指す、又は資格を勉強する「目的」をしっかり持つことが重要だと思います。
自身の過去と現在、未来のキャリアビジョンをしっかりと考えた上で、適切な資格は何かを選び、資格取得に臨むことがオススメと言えるでしょう。
その際、自己理解や職業理解をカウンセリングによって、サポートしてくれる専門家がキャリアコンサルタントであり、プロのキャリアコンサルタントとのカウンセリングを通して、自身に必要な勉強は何かを検討されることをオススメします。
人事担当者にオススメの資格
自身に必要な資格や勉強したい知識がしっかり定まった方は、ではどのような資格があり、どれぐらいの勉強期間で合格できるのかを調べなければなりません。
ここでは、受験の詳細は各リンク先からご確認いただくこととして、私の体験談も交えながら資格を紹介したいと思います。
また、キャリアマップという考え方もオススメです。
キャリアマップとは、職業能力評価基準で設定されているレベル1~4をもとに、該当業種の代表的な職種における能力開発の標準的な道筋を示したものです。
現状の自身のレベルは、どれぐらいなのかを知り、今後、さらに市場価値を高めて活躍していくためには、どのような知識や能力が必要になるのかビジョンを持つと努力もしやすいですし、モチベーションも維持されやすいと思います。

国家資格キャリアコンサルタント
オススメ度★★★★☆
詳細→国家資格キャリアコンサルタント試験(キャリアコンサルティング協議会)
現在、私もキャリアコンサルタント養成講習を受講中です。来年3月の国家試験に挑戦します。
講習を受講した感想ですが、約4ヶ月ほどの期間で、幅広い視点(キャリア理論、カウンセリング理論、メンタルヘルス、労働関係法令、労働市場の変遷、心理学等)を勉強することができます。
国家資格キャリアコンサルタントを取得して、対人援助を行うのみならず、自身のキャリアを考えるきっかけにもなるような理論を学習することができますので、現職が人事以外の方の受講者も多いのが特徴です。
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働省より登録された試験機関である
・「キャリアコンサルティング協議会」←私が選んだ受験機関
が実施しています。
※戸惑うポイントですが、国家試験にも関わらず、試験機関が2団体あります。
※学科試験は同内容ですが、実技試験の面接と論述問題の内容が異なります。
キャリアコンサルタントは、平成28年4月より国家資格となりました。
キャリア開発、人材開発に関する相談にのったりアドバイスを行うスキルが身につくので、社員のキャリア支援に役立つでしょう。
特に、人事担当者の中でも、採用業務や教育業務に携わっている方のスキルアップにオススメと言えます。
「人事としてキャリアを歩んでいきたい」、「人事として活躍の幅を広げたい」という方にもぴったりの資格です。
ただ、下記のような受験資格が必要になります。
厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者 ←私が選んだ受験資格
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
受験までのハードルは少し高めに感じると思いますが、人事としてキャリアを歩んでいきたいという方には、かなりオススメの資格と言えます。
今後の社会情勢の変化からも需要はますます高まってくる国家資格ですが、資格を取得したからといって、誰もがキャリアコンサルタントとして活躍できるかと言われれば難しいのも現実なようです。
質の高いキャリアコンサルタントとして認められるためには、資格取得後の継続的な学習と実践が必要不可欠と言われています。

メンタルヘルス・マネジメント検定(Ⅰ種・Ⅱ種)
オススメ度★★★★☆
メンタルヘルス・マネジメント検定は、「大阪商工会議所」「施行商工会議所」が主催している公的資格の一つです。
メンタルヘルスケアの知識・対処を習得することが目的であり、以下3つのコースが設けられています。
コースごとに求められる対象や必要な知識が異なっており、一般的な人事担当者であればⅡ種以上の取得がオススメと言われています。
Ⅰ種(マスターコース)
・人事労務管理スタッフ
・経営幹部
主な内容は、社内のメンタルヘルス対策の推進
Ⅱ種(ラインケアコース) ←私も受験の上、取得済み
・管理職
主な内容は、部下のメンタルヘルス対策の推進
Ⅲ種(セルフケアコース)
・一般社員
主な内容は、自らのメンタルヘルス対策の推進
メンタルヘルス検定は、社員の心のケアに役立つ資格です。
メンタルヘルスやストレスに関する知識が身につくため、社員の心の不調を未然に防ぐことが期待されます。
実際に受験した感想ですが、人事の方に広くおすすめのⅡ種の難易度はそれほど高くありません(合格率50%前後)が、1ヶ月〜2ヶ月程度(100時間程度)は公式の参考書と過去問集の勉強は必須です。
もちろん、社内でメンタルヘルスを専門にされている方や、労務管理をメインで行なっている方は、Ⅰ種(マスターコース)の学習がオススメと言えるでしょう。
個人的には、メンタルヘルスの知識は、人事担当者であるから勉強しておくものではないように思っています。
誰しもが、セルフケア、ラインケアの知識を持っておくことで、周囲のメンバーの心の不調を未然に防ぐことに繋がるように思います。
ぜひ、勉強する価値のある分野だと思います。
社会保険労務士
オススメ度★★★★★
社会保険労務士(以下、社労士)は、労務管理や社会保険の知識を体系的に学ぶことができる国家資格試験です。
人事領域の中でも、労務管理、社会保険業務(年金・医療・雇用保険分野)などで活躍できます。
試験科目は、下記に分類されています。
労働基準法及び労働安全衛生法
労働者災害補償保険法
雇用保険法
労務管理その他の労働に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法
特に、社労士は、業務独占資格であるため、社労士の資格を取得していない人は携わることができない独占業務があることも資格取得の魅力です。
労務管理に関わる書類作成はもちろんですが、労務管理に関する悩みの相談に応じることが可能です。
人事担当者が目指す資格の最高峰とも言われており、社内でのキャリアアップを図りたい方や、将来の独立開業を見据えて取得する人も多い国家資格です。
試験の難易度は高く、合格率は例年5%前後という難関です。試験範囲もかなり広く、日頃の業務で、労務・社会保険に携わっていない方は、馴染みにくい内容も多いです。
実際に、私も受験しましたが、不合格となりました。
合計7割以上の得点と各科目で最低限の正答数が求められています。苦手な科目も均等に正当が求められている点が社労士試験の難しさの要因の一つと言えます。
勉強時間は、半年〜1年間をかけて長期的に勉強し続ける必要があります。また、法改正も頻繁に行われるため、常に最新の法改正の事情をチェックしておく必要があります。
ビジネス・キャリア検定(人事・人材開発分野、労務管理分野)(1級・2級)
オススメ度★★★☆☆
ビジネス・キャリア検定は、「人事・人材開発・労務管理」「経理・財務管理」「営業・マーケティング」「生産管理」「企業法務・総務」「ロジスティクス」「経営情報システム」「経営戦略」の8分野43試験から選ぶことができる公的資格の一つです。
試験内容は、厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠しています。
人事担当者に関連する分野としては、「人事・人材開発・労務管理」だと思います。
人事・人材開発では、人材開発や教育研修の仕事をこなすために必要になる知識がメインで、採用業務、教育業務に携わる方にはオススメです。←私も受験の上、取得済み
労務管理では、先ほど紹介した社労士の労働関係法令をメインに出題され、労務管理分野でスキルアップしたい方には、オススメです。
各試験には、1級、2級、3級とあり、想定される受験対象者によって試験内容の難易度が変わってきます。
1級:実務経験10年以上 (部長、ディレクター相当職を目指す方)
2級:実務経験5年程度(課長、マネージャー相当職を目指す方)←私も受験の上、取得済み
3級:実務経験3年程度(係長、リーダー相当職を目指す方)
2級合格においては、公式テキストと過去問をベースに約1ヶ月〜2ヶ月程度は勉強しておくことをオススメします。
それぞれの等級を受ける上で受験資格はありませんので、ぜひ1級を目指してステップアップしていきたいものです。

更なるステップアップを目指す方に
人事担当者としてキャリアを築いていくと、経営に携わる場面がでてくると思います。
そのため、経営的な視点で物事を考えて判断ができる能力が必要になると思いますし、技術革新が急速に変化する中では、最新の技術のトレンドを理解し、テクノロジーを上手く活用できることが求められます。
そこで、更なる人事担当者としてのステップアップを目指されるに向けて、二つの厳選した資格を紹介します。
G検定
気になる度★★★★☆
G検定とは、日本ディープラーニング協会が開催している資格で、AI(人工知能)が注目されるようになった背景で、最近できた資格です。
試験では、AIやディープラーニングに関しての基礎的な知識や理解が問われます。
現在のAI技術を支えて発展させている根幹となる技術がディープラーニングです。
G検定はこのAIの根幹技術を学ぶ資格であり、実際に実装するエンジニアとコミュニケーションを取る上で必要な知識や理論を抑えることができます。
そのため、理工系のエンジニアが勉強するだけではなく、多くのビジネスパーソンにとっても魅力的な内容となっているのです。
G検定の出題範囲は多岐にわたりますが、出題範囲の一覧は以下の通りです。
人工知能の定義
人工知能をめぐる動向
人工知能分野の問題
機械学習の具体的手法
ディープラーニングの概要
ディープラーニングの手法
ディープラーニングの研究分野
ディープラーニングの応用に向けて
さらに、エンジニアに向けには、E検定があります。
近年、ピープルアナリティクス(社員や組織のデータを収集・分析し、組織開発に生かす手法)という言葉が注目されていますが、人事担当者としても、統計的な考えやデータサイエンス的な考えを持っておくことが求められています。
中小企業診断士
気になる度★★★★★
詳細→中小企業診断士試験
ビジネスパーソンならば取得したい経営視点を有する注目資格です。
キャリアが長くなると、人事担当者が経営に携わる場面が多く出てきます。
そんなときに効果的なコンサルティング力を養い、大局的な視点で判断できる能力があれば、人事担当者の市場価値もますます高まるでしょう。
国家資格だということもあり、企業からの評価も高い資格です。
人事担当者のみならず、全てのビジネスパーソンが勉強したい分野であることは言うまでもありません。