【体験談】キャリアコンサルタント(キャリコン)第16回試験受験の振り返りと感想
更新日:2021年5月5日
キャリコン受験希望者必見!「養成講習受講〜試験日当日」までの体験談
【2021年4月16日更新】
・試験結果は学科試験及び実技試験で合格しておりました。
こんにちは。キャリ男人事サロン代表のキャリ男です。
このブログは、第16回国家資格キャリアコンサルタント試験(2021年3月開催)を終えた筆者が、試験受験に至るまでの流れと試験での体験談をまとめています。(2021年3月14日に投稿)
そのため、このブログを投稿している現在において、受験結果の合否は未定です(笑)
ですが、これからキャリコン試験を目指される方にとって、試験合格までの流れやステップを理解される上で、有意義にご使用頂ければと思いまとめてみましたので、ぜひご参考にされてください。
筆者の詳細プロフィールは「こちら」
関連する記事のリンクは下記から
・「キャリアコンサルティングの意義と役割」に関しての記事はこちら
・「国家資格キャリアコンサルタントの自己研鑽」に関しての記事はこちら
目次
国家資格キャリアコンサルタントについて
キャリアコンサルタント養成講座について
試験勉強について
試験当日について
受験問題について
全体の感想
1.国家資格キャリアコンサルタントについて
・キャリアコンサルタントになるには?
キャリアコンサルタントは、「キャリアコンサルティング」を行う人材を指しますが、資格は「国家資格」に位置付けられており、キャリアコンサルタント資格取得者以外が、キャリアコンサルタントである名称を名乗ることはできません。
また、キャリアコンサルティングを行う専門人材については、これまで民間資格(標準レベルのキャリア・コンサルタント) として運用されていたところ、その質を担保・向上し、労働者等が安心して職業に関する相談を行うことの出来る環境を整備するため、平成28年4月1日より「キャリアコンサルタント」として国家資格化された背景があります。(引用:キャリアコンサルティング協議会)
キャリアコンサルタント試験は、職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣の登録を受けてキャリアコンサルティング協議会または日本キャリア開発協会が実施する国家資格試験です。
学科試験と実技(論述および面接)試験で行われ、個別の受験が可能です。学科試験と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。(引用:キャリアコンサルティング協議会)
なお、学科試験は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会(JCDA)が共同で、同一日に共通問題で行います。
つまり、試験団体が2つあるということです。学科試験の内容は同じでも、実技試験の内容は試験団体によって、多少変わりますので、受験される団体を選ぶ際には、特徴の違いなど十分ご注意ください。
筆者ブログの下記リンクもご参考にされてください。
(【10分でわかる】人事担当者としてのスキルアップ・オススメ資格取得の体験談 )

・キャリアコンサルタントの役割
「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家です。
キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。(引用:日本キャリア開発協会)
2.キャリアコンサルタント養成講座について
・どういう人がキャリアコンサルタントに興味を持っているの?
私自身の感覚として、キャリアコンサルタントの資格取得を目指そうとされる方は、既に対人支援を行っている方や、これから行っていきたいという方のみならず、「自分自身のキャリアを見つめ直したい」、「マネジャーとして組織の活性化のために勉強したい」など、様々な動機で勉強される方が多いように感じました。
私自身は、採用・育成に携わる人事でありますので、更なるスキルアップのために興味を持ったのがきっかけです。特に、セルフキャリアドッグの導入に最も関心がありました。
コンサルティング?カウンセリング?心理学?のような難しそうなイメージが先行されますが、自身のキャリアを考えるきっかけにもなるような理論を学習することができますので、キャリアコンサルティングの実務に携わるかどうかは別にして、幅広い方が関心を持ちやすい分野になる資格なのかと思います。
ご参考までに、こんな人が資格を取得しているようです。
キャリア形成支援を行いたい
よりよい就業環境、働き方を実現したい
面談をもとにしてキャリアに関する制度をつくりたい
求職者、就活生などへの支援を行いたい
管理職として部下の能力を発揮させたい
組織の実情を把握したい
自らのスキルやキャリアを高めたい
キャリア形成支援に関わる仲間と出会いたい
(出典:キャリアコンサルティング協議会)
・キャリアコンサルタント試験に受験資格はあるの?
一方で、試験を受験するためには、下記の図のように実務経験または養成講習の修了が要件としてあります。
つまり、誰もが受験することはできない資格試験となります。

出典:キャリアアコンサルティング協議会
この内、実務経験がある受験者数は少なく、ほとんどの方が、養成講習を修了し受験します。
厚生労働大臣が認定する養成講習を受講できる団体は全国に様々あります。ご自身の性格や志向、受講料など、ご自身の希望とマッチする団体をお選びください(「養成講習」を開講している団体 はこちら)
3.試験勉強について
・養成講習での勉強ってどんな感じ?
では早速、養成講習に申し込みを行うと、講習期間が始まります。最初にお伝えしておきますが、学ぶことは楽しさもあり、やはりしんどい時もあります。
私が受講した養成講習では、約3ヶ月の期間に亘って、毎週日曜日に通学形式で座学とロールプレイング実習を行いました。
勉強する主な内容としては、
キャリアコンサルティング概論
カウンセリング概論
カウンセリングの姿勢やスキル
キャリア理論(心理学部のような授業)
メンタルヘルスの知識や制度
人事労務管理(人事制度、評価制度、育児休業制度など)
労働関係法令(労働基準法や年金、保険制度、労働市場の変遷など)
キャリアコンサルティング実習(ロールプレイング)
座学と実習(ロールプレイング)の割合としては、半々ぐらいの時間を使って進みました。
丸1日、座学で勉強することは、学生以来の体験ですので、かなりしんどいです(笑)。寝かけてた時もありました。
逆に、ロールプレイング実習は、時間が経つのを早く感じられますが、傾聴や応答に集中するので、かなり心身ともに疲れます・・・。
上記の学ぶ内容や進め方は、養成講習によってかなり特色が違うようなので、ご自身に合う養成講座を選ばれることをオススメします。(事前無料説明会などもあるようです)
また、養成講習の特色によって、試験合格を1番の目的として進める場合や、試験合格ではなく、合格後の活躍を見据えて、しっかりと基礎を勉強することを目的とする場合など様々です。
担当講師も、全ての講習において担当講師が一人の場合や、学習する専門分野によって担当講師が変わるなどの違いもあります。
感想としては、毎週の通学はもちろん大変でしたが、新しい知識を学べる環境は本当に良かったと思います。キャリアに関する知識に少しでも興味がある方や、新しい知識を学びたいという方は、養成講習で勉強するだけでも価値はあるように思いました。
この3ヶ月の勉強スタンスとしては、覚えるというより、楽しみながら内容を理解していく気持ちで進めた方が、無理せずに続けられるように思いますね。
・自宅での自主勉強ってどんな感じ?
養成講習に通学中および試験までの自宅学習は、主に下記の5つで進めました。
養成講習の課題
過去問
YouTube、TwitterなどのSNS
書籍
養成講座主催の勉強会(有料)
1つ目の養成講習の課題ですが、こちらは皆さんが受講される養成講座によって、様々かと思いますが、私が受講した養成講習では、穴埋め問題やレポートがありました。
まぁまぁボリュームがありますので、計画的に進めていく必要があり、講習修了の要件にもなっていますので、提出必須です(笑)
2つ目の過去問ですが、こちらも試験を受験する上で回答必須です。過去問は受験機関のサイトに無料で掲載されています。
過去問から同じ問題はほとんど出ませんが、無料ですし回答の訓練にもなります。私自身は、2回以上は繰り返し解きました。
また、間違えている問題をピックアップしておき、その周辺に関する知識は深く復習に努めました。
3つ目は、YouTubeに先輩キャリコンの方が、多くの学習動画を掲載してくれていますので空き時間などに、BGMが代わりに聞いておくことも勉強になります。もちろん無料なのでコスパ抜群です。
また、Twitterを使って、同じ受験回の受験生の近況や情報を日頃から情報収集されることをオススメします。
筆者のTwitterアカウント(https://twitter.com/kyarioch)もよろしければ。
4つ目は、書籍です。キャリアに関する本を読んでください。参考書籍の文章から引用されて試験問題が作られている場合もあります。
最もメジャーな参考書籍の一例です。
5つ目の養成講習機関主催の勉強会(有料)ですが、こちらは、養成講習修了から試験日までに、養成講習機関が受験対策用に行ってくれるものです。しかし、養成講習の受講料と基本的に別料金が発生してきます。
こちらは養成講習同様に、通学での勉強会となりますので、ご自身の仕事や家庭の事情の都合と調整しながら無理せずにご参加される程度でいいのかなと思います。
もちろん、「参加しないと一人では、勉強できない・・・」という方は積極的に参加してくださいね。「全てに参加した!」という方ももちろん居ました。
また、試験勉強で使えるサイトのリンクを一覧で掲載しております。併せてご覧ください。(https://www.kyario-jinji-saron.com/ )

4.試験当日について
学科と実技(論述)で一日程、実技(面接)で一日程と、それぞれの試験は、別日で行われます。
学科が午前中、実技(論述)は午後で、受験者全員が同時刻で行われるのに対して、実技(面接)は、受験者によって受験日や受験時刻が異なります。
私は、学科試験の翌週に実技(面接)があり、早く終わらないかなとそわそわしていました。人によっては、翌々週の場合もありますので、気が気がではないと思います・・・。
学科試験は、これまでの勉強した成果を、半分は暗記ですが・・・、を発揮することに努めました。
実技(論述)は、過去問をやっていても相談事例は出題ごとに変わりますので、勉強してきた内容を総動員させて、いかに時間内に正確に記述することを努めました。
実技(面接)は、これまで訓練してきた傾聴や質問を落ち着いて行うことを意識しました。ですが、練習では感じなかった場の空気感に飲まれてしまい、自分のやりたいカウンセリングでできたのか、あまり思い出せません。。。(笑)
無我夢中ですね。体が浮いているような感覚さえありました。まだまだ訓練が必要だと改めて感じました。
また、実技(面接)には、ロールプレイングの他に口頭試問があります。15分間のロールプレイングを振り返りながら、試験官の質問に答えます。
うーん、あまり手応えはありませんが、自信が身につけてきたことは発揮できたのではなかと感じています。
終わった瞬間の開放感は忘れられません(笑)
5.受験問題について
・学科試験について
学科試験の問題は全部で50問あります。しっかりと勉強している方が試験に臨めば、回答時間には余裕があると思います。私も見直しをした上で途中退出しました。
学科試験は、過去問や書籍によって対策を行うと思いますが、過去問から同じ問題が出題されていることはほとんど見たことがありません。資格試験によっては、過去問と同じ問題が出る試験もありますが、キャリコンは、過去問対策を万全にしたからと言って、合格できるかと言われればそうでは無いところが大変です。
ちなみに、過去3回分の過去問は、キャリアコンサルタント協議会と日本キャリア開発協会に掲載されていますので、出題傾向を知る上で、必ず取り組んでください。
出題の傾向としては、キャリアやカウンセリング理論に関する知識の出題が少なくなっているような?気もしました。
逆に、労働市場の変遷や、統計資料からの出題が増えてきているのかな?と思いました。
日頃から、キャリアや労働市場に関するニュースや動きに感度が高い方は、直感でなんとなく答えられるような問題も多くあります。
もちろん暗記も大事ですが、暗記だけではなく、背景や意図も理解しながらコツコツと日頃から取り組んでいく姿勢が求められていると感じました。
ちなみに、筆者は自己採点の結果、50問中43問正解ということで、学科試験はなんとかクリアしたと思います。ホッとしました。
・実技試験について
実技試験には、論述試験と面接試験(ロールプレイング・口頭試問)があります。
論述試験は、50分という短い時間の中で、枠内にいかに論理的に訴求したい内容を記述するかの文章力が求められます。問題用紙の文章から重要そうなワードを的確に引用し、論理的に分かりやすく、矛盾がない文章が求められます。
論述試験においては、過去問や解答例を読んで試験勉強するのではなく、回答用紙に時間内で書く練習を必ずして頂くことをオススメします。
意外と、文章で表現するということは慣れていないと難しいものがあります。
論述試験も試験問題は、キャリアコンサルタント協議会と日本キャリア開発協会に掲載されていますので、出題傾向を知る上で、必ず取り組んでください(解答は掲載されていません)
ちなみに、私自身は、50分時間一杯を使いまして、時間ギリギリでした・・・。余談ですが、同じ机で隣に座っている人の消しゴムを消す動作がとても大きく、机がめちゃめちゃ揺れてしまって、書き辛かったですね。
回答内容に、あまり自信はありませんが、矛盾はないように一貫して書けたのではないかな?と思っています(笑)
一方、面接試験は、15分間のロールプレイングと5分間の口頭試問で構成されています。クライエント役とキャリコン役(受験者)に分かれて、キャリアコンサルティングの最初の15分間をロールプレイングします。
この試験が、とても緊張すると言いますか、キャリコン試験の鬼門ですね。
現状、詳しい内容は記載できませんが、試験を通じて、自身のカウンセリングの展開力や質問力は、まだまだ訓練が必要だと感じました。当たり前ですが(笑)